不安は警報装置
不安は故障ではなく、危険に備えさせる昔からの仕組みです。試験の前の晩に緊張すればもう一度確認し、知らない道ではまわりをよく見るようになります。このとき心臓が速くなり、筋肉がこわばり、考えが一点に集まるのは、体が動く準備をしている正常な反応です。難しくなるのは、実際の危険がないのに警報が何度も長く鳴り続けるときです。だから目指すのは不安を消すことではなく、警報の大きさと回数を受け止められる程度まで下げることです。
心配するなと言われても、なかなかやめられません。不安が体と頭の中でどう大きくなるのかを知り、その流れを緩める順番をまとめました。
不安は故障ではなく、危険に備えさせる昔からの仕組みです。試験の前の晩に緊張すればもう一度確認し、知らない道ではまわりをよく見るようになります。このとき心臓が速くなり、筋肉がこわばり、考えが一点に集まるのは、体が動く準備をしている正常な反応です。難しくなるのは、実際の危険がないのに警報が何度も長く鳴り続けるときです。だから目指すのは不安を消すことではなく、警報の大きさと回数を受け止められる程度まで下げることです。
心配と考えごとは見た目が似ていますが、終わり方が違います。問題解決は「じゃあこうしよう」という次の行動で終わり、心配は「もしうまくいかなかったら」という同じ問いに戻ってきます。頭の中で同じ場面が繰り返されているなら、もっと考えることが答えではない可能性が高いです。今の心配を次の問いに当ててみると、どちらなのかが見えてきます。
不安が強いときは、考えを説得するより先に体をゆるめるほうが早く効きます。体が警報状態のままだと、頭も危険を探し続けるからです。吸う息より吐く息を長くする呼吸、固まった肩とあごを意識してほどくこと、見えるものや聞こえるものを一つずつ確かめることなど、注意を今ここへ戻す方法がよく使われます。数分で大きく変わらなくても構いません。繰り返すほど、体がその合図を早く受け取るようになります。
まったく心配するなというのは、ほとんど守れない注文です。代わりに、一日のうち短い時間を決めて、そのときにまとめて心配するという方法があります。ほかの時間に心配が浮かんだら「これは夜のあの時間に考えよう」とメモだけして、元の作業に戻ります。決めた時間にメモを見返すと、昼間は大きく感じたことの多くがもうそれほど急ぎに見えないことがよくあります。残ったもののうち行動できるものはやることに移し、そうでないものはそのままにしておきます。
不安な場面を避けると、その瞬間は確かに楽になります。問題は、その安心が「避けてよかった」という学習として残ることです。次に似た場面が来ると警報はもっと大きく鳴り、避ける範囲が少しずつ広がっていきます。電話一本、人の多い場所、メールの返信のような小さなことから、耐えられる段階に分けて少しずつ向き合うと、予想していたことの多くは起きないという経験がたまります。その経験が警報の基準を下げ直してくれます。
不安を減らそうとしてする行動が、かえって不安をつなぎとめてしまうことがあります。何度も確認すること、まわりの人に大丈夫だと繰り返し言ってもらうこと、症状を検索し続けることは、少しの安心をくれますが、すぐにまた確かめたくなります。次の行動が一日に何度も繰り返されているなら、回数を少しずつ減らすところから始めるとよいでしょう。
昼間は平気なのに、横になると心配が押し寄せてくるのはよくあることです。やることがなくなり、まわりが静かになって、後回しにしていた考えが一度に浮かんでくるからです。寝る一、二時間前に明日やることと気がかりなことを紙に書いておくと、頭がそれを抱えておく理由が減ります。横になって長く寝返りを打つようなら、いったん起きて静かなことをし、眠くなってから戻るほうがよいです。布団の中で心配する時間が長いほど、布団と心配が結びつきやすくなります。
不安のせいで仕事や勉強、人間関係、睡眠が数週間以上揺らぎ続けるなら、一人で何とかしようとするより、精神科や心療内科、カウンセラーに話してみるのがよいです。急に激しい動悸や息苦しさが出る場合は、体のほかの原因がないかも医師に確かめてもらう必要があります。この記事は状態を判定する検査や診断ではなく、治療の代わりにもなりません。自分を傷つけてしまいそうな気持ちがあるときは、すぐに地域の相談窓口や救急に連絡してください。
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